星空日誌「つぶやき」

Seestarで楽しむ春の銀河

Seestar 天体写真ギャラリーに、先日、八塔寺で撮影した春の銀河の写真を追加しました。



上は、Seestarで1時間スタックした、おおぐま座のM81銀河の写真です。M81銀河は比較的明るいので、腕の部分まではっきりと写りました。



次の画像は、りょうけん座のM106銀河の写真です。M106銀河は、バルジ部分は明るいですが、その周囲に広がる腕の部分は淡く、望遠鏡でも写し出しにくい系外銀河です。実際、Seestarで数分スタックした時点では腕の部分は全く写らず、無理かと思いましたが、4時間スタックすると、淡い部分までしっかり写りました。



3枚目は、回転花火銀河の愛称で知られる、おおぐま座のM101銀河です。M101銀河は全体的に淡く、肉眼で見るとボヤっとした雲のようにしか見えませんが、Seestarで2時間スタックすると、渦を巻く銀河の腕が写りました。

春の銀河の撮影は、以前は、長焦点望遠鏡に冷却CMOSカメラと本格的な機材が必要でしたが、Seestarを使えば手軽に撮影できるのがいいですね。次回は、マイナーなNGC天体もSeestarで撮影してみたいと思います。

なお、Seestarは、ファームウェアップデートで1枚当たりの露光時間を延ばせるようになりましたが、今回は全て10秒露光で統一し、スタック後の画像をステライメージ9で画像処理しています。

タカハシε-160EDで撮ったvdB152

ギャラリーに、タカハシε-160EDを使って撮影したケフェウス座の星雲「vdB152」の写真をアップしました。久しぶりに冷却CCDカメラのG3-16200で撮影した作品です。

ε-160EDを購入して約1年が経とうとしていますが、上位機種のε-180EDに比べて、光軸がそこまでシビアでない点が助かっています。F値は、ε-180EDが2.8のところ、ε-160EDは3.3と僅かな差なのですが、これほど変わるのだなと改めて実感しています。



星像自体は、ε-160EDの方が微恒星が引き締まってシャープだと感じますが、実際の撮影では、気流の影響もあり、そこまで大きな差は感じません。最近流行のAIソフトを使って画像処理をすれば、差はほとんどないかもしれませんね。

ε-160EDは、光軸やスケアリングを追い込んだおかげで、APS-Cサイズよりセンサーサイズが大きなG3-16200の画角内でも、隅から隅まで星がシャープに写るようになりました。チャンスがあれば、35ミリフルサイズセンサーのカメラでも撮影してみたいと思っています。

衝を迎えた木星

11月3日に木星が衝を迎えました。幸い夜晴れたので、久しぶりにペンタックスMS-5赤道儀とタカハシMewlon-250CRS望遠鏡を自宅に設置し、木星観望と撮影を楽しみました。

ビクセンED103Sで木星を観望していた2日の夜と比べると、やや気流は乱れ気味でしたが、11月にしては比較的落ち着いており、縞模様がよく見えました。



上は、Mewlon-250CRSとASI662MCで撮影した木星の写真です。計6セット撮影したのですが、他に比べて1セットだけ映りが良かったので、そのフレーム分だけを選んで処理しました。その影響で画像が荒れてしまったので、ノイズ処理を軽くかけて仕上げています。

木星の傍に写っているのは、第3衛星のガニメデです。この後、ガニメデは木星面に重なっていくのですが、ちょうどその時になって雲が流れてきてしまって撮影できませんでした。

Seestarのギャラリーを追加

先日、久しぶりに天気予報が良かったので、Seestar S50を持って八塔寺に出かけてきました。それまでSeestarを自宅で使ってなかなか良かったので、星空の綺麗な場所では、どのくらい写るか試してみたくなったのです。



上は、現地でSeestarをセットアップした様子です。付属三脚では低すぎるので、Gitzoの三脚に載せました。星空の綺麗な場所では足元が暗いですし、ある程度高さがあった方が安心ですね。

撮影開始前にアプリを最新バージョンに更新したところ、Seestarの電源を入れてスマホと接続すると、ファームウェアのアップデートも実行されました。新しいバージョンでは、マニュアルフォーカスが使用できるようになり、また、スタック前の画像も保存できるようになりました。バージョン1.7で日本語にも対応しています。



上は、Seestarを使って撮影したオリオン座の馬頭星雲の写真です。数枚撮影した状態では、星雲の形はほとんどわかりませんでしたが、スタック枚数が増えるにつれて、馬頭の形がはっきりしてきました。2時間半スタックを続けたものが上の画像です。

Seestarを使って撮影した天体写真をまとめて、Seestarの天体写真ギャラリーを作成しました。撮影時の参考になるよう、スタック時間や撮影場所も記載しています。掲載数は少ないですが、徐々に作品を追加していきたいと思います。

はくちょう座の超新星残骸 SNR G65.3+5.7 Sh2-91

SNR G65.3+5.7は、はくちょう座のアルビレオ北側に広がる超新星残骸です。シャープレスのナンバーとして、Sh2-91、94、96が割り振られている星雲です。



Sh2-91は、撮影でご一緒した、Uさんに教えていただいた天体です。はくちょう座は何度も撮影していましたが、この星域に超新星残骸があることは知りませんでした。

Sh2-91の位置は、下の星図の辺りです。視直径はかなり大きく、35ミリフルサイズ換算で焦点距離300ミリのレンズで全景が収まる感じだと思います。この写真も、200ミリレンズと、APS-Cサイズのセンサーが入った冷却CMOSカメラで撮影しています。



星雲は非常に淡く、ブロードバンドではほとんど写ってきません。HαとOIII光を通すデュアルバンドフィルターが必要でしょう。半値幅が狭いフィルターの方がコントラスト高く写りそうです。Sh2-91は、HαよりOIIIで光っている部分が多く、OIIIは光害の影響を受けやすいので、星空の綺麗な場所で撮影することをお勧めします。

淡い星雲ですが、楕円状に広がった構造が興味深い天体です。はくちょう座の超新星残骸と言えば、網状星雲が真っ先に思い浮かびますが、今後はSh2-91も人気が出てきそうですね。

2023年の土星

先週末の日曜日の夜に、Mewlon-250CRSで撮影した土星の写真です。土星は既に8月下旬に衝を迎えていましたが、タイミングが合わず、これが今シーズン初の土星の撮影でした。



夕方から晴れていた空は、暗くなるとともに薄雲がかかってきましたが、この機会を逃すとしばらく予報が悪かったので、拡大率を落として撮影しました。 今の土星は徐々に環の傾きが小さくなっている時期で、2年後の2025年には環が一時的に見えなくなってしまいます。

環の傾きが大きい時期の土星も、カッシーニの空隙が綺麗に見えて、とても見応えがありますが、一般的には、土星と言えば、このぐらいの環の傾きの姿を想像されるでしょうね。

RGBカラーとSHOカラー(北アメリカ星雲とペリカン星雲で画像比較)

夏を代表する赤い星雲と言えば、はくちょう座の北アメリカ星雲とペリカン星雲ですね。銀塩フィルム時代から何度も撮影していますが、先日出かけた峰山高原でもやはり撮影しました。



上は、ビクセンFL55SSとデジタル一眼レカメラで撮影した、北アメリカ星雲とペリカン星雲の写真です。見慣れたRGBカラーで、定番の構図ですね。

下は、カメラレンズとナローバンドフィルターを使って撮影し、SHOカラー合成写真で仕上げた北アメリカ星雲とペリカン星雲の写真です。



ビクセンFL55SSとほぼ同じ画角ですが、色合いは全く異なり、星雲のコントラストもこちらの方が際立っています。北アメリカ星雲とペリカン星雲が元々一つの星雲であることもわかりますし、最近の天体写真ファンに好まれる表現ではないでしょうか。

ただ、天体写真の知識のない方に2枚の写真を並べて見せたところ、RGBカラーの方が人気がありました。Twitter(今はXですね)の「いいね」の数もRGBカラーの方が1.5倍ほど多く、一般的にはRGBカラーの方が美しいと感じられるようですね。

ビクセンFL55SSで撮ったM8とM20

週末(金曜日夜)に八塔寺に出かけてきました。微妙な天気予報でしたが朝まで快晴。ハチ高原に続いての快晴でした。

例年梅雨から9月頃までは、天候不良のために天体撮影はお休みになることが多いのですが、今年は幸い夜晴れることが多く、天体撮影を楽しめています。



デジタル一眼レフカメラのギャラリーに、ビクセンFL55SSで撮影した「いて座のM8とM20」の写真をアップロードしました。M8とM20付近は夏の定番構図ですね。今年もしっかり撮影することができました。

デジタル一眼レフを天体撮影に使用したのは久しぶりですが、冷却機構のあるAstro6Dということもあり、最近の冷却CMOSカメラにも画質面で大きな差はないように思います。35ミリフルサイズは貴重なので、これからも活用していきたいと思います。

都会で撮った網状星雲

自宅からデュアルバンドフィルターを使って撮影した網状星雲の写真です。撮影に使用した天体望遠鏡は、セレストロンEdgeHD800-CG5。レデューサーを取り付け、レビュー記事でご紹介したオフアキシステムを使用して撮影しました。



上が撮影した網状星雲の写真です。1コマ当たり600秒の露出時間で計15枚撮影しましたが、どれも星は点像を保っていました。ガイド鏡を使っていた時と比べて、ガイドが安定してくれて本当に助かります。

オフアキガイドと言えば、ZWO社からガイドチップが内蔵されたASI2600MC Duoが今夏発売開始予定です。デュアルチップのオートガイドは、システム構築が不要で便利ですが、ナローバンドフィルターを使用したときに、適当な明るさのガイド星が見つかるかどうかが少々不安ですね。

篠山で撮影したひまわり銀河

火曜日の夜、天気予報が良かったので、夕方から丹波篠山市に天体撮影に出かけてきました。平日の夜でしたが、現地には他にも天体撮影の方がおられ、一晩楽しく過ごすことができました。現地でお世話になった皆様、ありがとうございました。



この夜は久しぶりにタカハシMewlon-250CRS望遠鏡を持って行きました。最近、お手軽撮影が続いていたので、大きくて重い機材の設置は手間がかかりましたが、春の系外銀河を狙うために持参しました。

天候は一晩中良かったのですが、PM2.5の影響でしょうか、空は白っぽく、星の輝きは感じられません。また強めの風が一晩中吹いていて、機材が揺れることがありました。



上は、篠山で撮影したひまわり銀河の写真です(トリミングしています)。AOを使ってガイドしていたので、風の影響はそれほど感じられず、銀河のディテールもよく写りました。最近流行のBXTを使用すれば、更にシャープに仕上がりそうですね。梅雨の時間のある時に、AI画像処理にもチャレンジしてみたいと思います

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