星空日誌「つぶやき」

FC-100DZが発表されました

昨日、高橋製作所から、口径10センチの新しい屈折式天体望遠鏡「FC-100DZ」が発表されました。FC-100DZは、フローライトレンズを採用した二枚玉アポクロマート屈折式望遠鏡です。

メーカーによれば、FC-100DZではフローライトレンズと組み合わせるレンズを、相性の良い高屈折ガラスにすることによって、色収差をさらに低減させることに成功したそうです。デジタル写真で問題になる青から紫色のハローは、FC-100Dの約半分に抑え、眼視性能も長焦点F9バージョンのFC-100DLを上回る性能を有しているとのことです。

FC-100DZ

上は、メーカーが公表している、FC-100DZとFC-100DLの球面収差図です。比較してみると、FC-100DZの方が各波長の光のバラつきが若干少なく、よりシャープな像が得られそうです。

タカハシ FC-100Dは完成度が高かったので、更に性能を向上させた、FC-100DZが出るとは予想していませんでした。FC-100DZには、Temma2Zと同じく、Zの略称が付けられていますが、これがフローライト2枚玉の最終モデルということでしょ うか。

フラットナーやレデューサーレンズは、FC-100Dと共通ですので、今後、FC-100Dシリーズからの買い替えが増えるかもしれませんね。

冷却CCDカメラのフランジバック

先週末は、少し天気が回復しましたね。天体撮影できるほどの夜空ではありませんでしたが、貴重な晴れ間を利用して、冷却CCDカメラのフランジバックを測定してみました。

測定したのは、SBIG製のSTL-11000M冷却CCDカメラです。10年以上前に購入したカメラですが、アダプティブオプティクスと呼ばれるAO-Lを取り付けたので、改めてフランジバックを測ってみました

冷却CCDカメラ

当Webサイトのフランジバックの寸法一覧にメーカーの公表値を載せていますが、これによると、STL-11000Mのフランジバックは39.6mm(含:アクセサリーブロック)です。STLのフランジバックにAO-Lのバックフォーカス38.0mmを足すと、77.6mmになります。

一方、TOA-130望遠鏡にSTL11000カメラを取り付けて、焦点の位置から実測してみたところ、STL+AOLのフランジバックは、約72mmになりました。この値には、STLに内蔵した3mm厚のフィルターも含まれています。

実測してみると、フランジバックは、予想していたより短い結果になりました。AO-Lと鏡筒の取り付け方法を工夫できれば、メタルバックが72ミリのレデューサーの光学系(FSQ-106ED+Reducer)にも取り付けることができるかもしれません。

ニコンのダハプリズム双眼鏡

私が持っている双眼鏡はポロプリズム双眼鏡ばかりなので、コンパクトで軽いダハプリズム双眼鏡が欲しくなり、ニコンサロンに出かけて、最新の双眼鏡を見比べてみました。

まず最初に覗いてみたのは、ニコン100周年モデルの「WX 7x50 IF」です。これは全くコンパクトではないので、候補ではなかったのですが、テーブルの上にドカンと置かれていたので、思わず手に取ってしまいました。

手持ちでは非常に重く、IFなのでピントを合わせるのも大変ですが、さすがに像は非常に明るく、透き通るような視界にほれぼれしました。視界も広く、この双眼鏡で観望する星空はさぞ素晴らしいだろうと思いました。ただお値段も、税抜き64万円と素晴らしく高額で、ちょっと手が出ません。

WX 7x50 IF

Nikon WX双眼鏡をしばし楽しんだ後、EDG(約19万円)、モナークHG(約11万円)、モナーク7(約5万円)を並べて、見比べてみました。どれも口径42ミリで8倍のモデルです。

大きさはどれも似たようなものですが、モナークHGとモナーク7に比べ、EDGは少し重く感じました。モナークHGとEDGのボディには、マグネシウム合金が使われているので、モナーク7より重くなるのは納得ですが、モナークHGとEDGの重量の差は何でしょうね。

室内をさっと見た印象では、各双眼鏡にそれほど差は感じられませんでしたが、周辺像はフィルードフラットナーが入っている分、モナーク7に比べて、EDGとモナークHGの方が、像の歪みが少なく感じました。

しばらく見比べた後、鏡筒を前レンズ側から覗くと、モナーク7とモナークHGの内面のつや消し加工は、ほぼ同じように見えました。一方、EDGの筒内には内面反射防止用の絞り環のようなものが設置され、各部の色消し塗装も良好に感じました。

つや消し加工を見比べた後、それを意識して像を観察すると、モナークHGに比べ、EDGの方がコントラストが高いようにも感じましたが、室内でははっきりとした違いはわかりませんでした。星空を観察すれば、結果が変わってくるのでしょう。

室内で見比べた印象では、星だけでなく、気軽に旅行などにも持ち運ぶなら、モナークHGぐらいの価格と性能が妥当かなと思いました。できれば、星祭りなどで実際に星空を覗き比べてから購入したいですね。

タカハシ FC/FSマルチフラットナーを購入

先週水曜日までは「今年の西日本は梅雨が来ないのかな。」と思うほどの晴天でしたが、今は雨の日が続いています。今日は新月で絶好の天体撮影シーズンなのですが、晴天は全く期待できそうにありません。

天気が悪いと、ついつい機材に関心が向かいますね。以前から増税前に手に入れておこうと思っていた、タカハシの「FC/FSマルチフラットナー 1.04x」をとうとう購入してしまいました。



FC/FSマルチフラットナーは、2018年8月に発売された補正レンズです。現行機種のFS-60CB、FC-76D、FC-100Dだけでなく、生産が終了したFSシリーズや、旧FCシリーズにも使用できるフラットナーレンズです。

購入後、早速、箱からフラットナーレンズを取り出したのですが、想像していたより小さく感じました。鏡筒径の太いFS-128FやFS-152に付けたら、アンバランスのような気がします。



生産が終了した、タカハシ 76Dフラットナーと並べて写真を撮ってみました。筒の直径はほぼ同じですが、全長はマルチフラットナーの方が短いですね。

次に販売価格を比べると、税抜き15,200円だった76Dフラットナーと比べ、FS/FCマルチフラットナーは、税抜き21,000円と38%程高くなりました。更に、マルチCAリングを機種ごとに別途購入しなければなりません。35ミリ判のフラットナーレンズとしては、若干、価格が高いなという印象です。

このフラットナーレンズは、タカハシ製の望遠鏡用ですが、2枚玉アポクロマートは収差特性が似ていることが多いので、工夫すれば、他社製屈折望遠鏡にも使用できるかもしれません。梅雨が明けたら、FC/FSマルチフラットナーを使って、夏の星雲星団を撮影してみたいと思います。

笠井トレーディングのBLANCA-150SED

先日、笠井トレーディングから、口径15センチの2枚玉アポクロマート「BLANCA-150SED」が発売開始されました。株式会社オハラのFPL-53ガラスが使用されていて、398,000円(税抜き)とリーズナブルな価格なので、注目を集めているようです。

BLANCA-150SED

口径15センチの2枚玉EDアポクロマートと言えば、国際光器が販売しているAPM社製のZTA152鏡筒が思い浮かびます。こちらは、FPL-51採用のレンズで、433,334円(発売開始当初は398,000円でした)です。収差特性図を比較してみると、BLANCA-150SEDの方が色消し性能は一段上でしょうか。

気になるのは実際の見え味ですね。星祭りなどで見かけたら、是非、星像を確認してみたい鏡筒です。

高橋製作所のレア望遠鏡

タカハシFSQ-130EDの受注終了の報を聞いて、高橋製作所の過去の天体望遠鏡を思い返してみました。すると、個人的にレア望遠鏡とも呼べる製品(市販品)がいくつか思い浮かびました。

まず、3枚玉アポクロマートシリーズの一つ、FCT-65鏡筒です。FCT-65は、FCTシリーズの最小口径です。FCT-76は今でも実機を見かけることがありますが、FCT-65は見たことがありません。

当時の価格は、FCT-65が142,500円のところ、FCT-76が159,000円と、価格差が小さかったので、FCT-65は人気がなかったのかもしれません。

タカハシが製造した唯一のシュミットカセグレン鏡筒「TSC-225」も珍しい望遠鏡でしょう。セレストロンやミードのシュミカセがF10のところ、F12という余裕のある設計で、今でもコレクターから人気のあるモデルです。鏡筒の後側に換気口が設けられていたのが特徴でした。

タカハシ FC-100N

タカハシの屈折望遠鏡「FC-100N」は、FCシリーズの中で唯一の長焦点F10モデルで、眼視観望派には今でも人気の高いモデルです。上は1992年当時の協栄産業の広告ですが、この時は、ビクセンのSP赤道儀とセットで台数限定で販売されていました。今なら購入したい人もいるかもしれませんね。

こうして思い返してみると、高橋製作所は過去に様々なタイプの鏡筒を製造していますね。きっとこれらの試みが技術の積み重ねにつながり、現在のTOAシリーズやFOA-60のような、他に類を見ない高性能機の開発につながったのでしょう。

FSQ-130EDの受注終了は残念ですが、今後も魅力的な新製品が発表されるのを楽しみにしています。

タカハシ FSQ-130EDの受注終了

本日、高橋製作所が、タカハシ FSQ-130ED の受注終了を発表しました。

FSQ-130EDは、像面湾曲、非点収差、倍率の色収差を徹底的に抑えた高性能望遠鏡です。2014年冬の公式発表前から、FSQ-106EDの大口径バージョンが登場するという噂が、海外のフォーラムを中心に飛び交っていたのを覚えています。

FSQ-130ED

実際にFSQ-130EDが発表されると、100万円を超えるプライスタグに驚きました。今年の4月にはCCA-250を超える価格に改訂され、さらに手の届かない存在になっていました。

FSQ-130EDの発売が開始されたのは2015年の春ですので、実質4年という短命の天体望遠鏡になってしまいましたね。きっと所有者も少ないと思いますので、いつか、幻のタカハシ望遠鏡として語り継がれるようになることでしょう。

Mewlon-300CRSについて

タカハシMewlon-300CRSの展示品が、スターベースで特価(税込 1,463,000円)で販売されています。そのためだと思いますが、ミューロン300についてのご質問をいただきました。返信できませんので、こちらで回答させていただきます。

1.遠征に一人で運搬できるかどうか。
以前は、遠征に持ち出していましたが、重さが約27キロあり、鏡筒径も大きいため、かなり大変です。そのため、近頃の遠征ではもっぱらMewlon-250CRSばかり使用しています。

2.AXD赤道儀に掲載できるか。
無理だと思います。タカハシEM-400は必要ではないでしょうか。私はペンタックス MS-5赤道儀に載せて使用しています。

3.良く見えるか。
月や惑星を見ると、Mewlon-250CRSと比べても像は明るく、一段と解像感が増すように感じます。アイピースにも左右されますが、視野全面にシャープな像を結びます。ただ中心像だけを考えると、CRS化されていないμ-300の方が、若干ですが、像が鋭く感じました(ミューロンはコマ収差が大きいので、実用を考えるとCRSがお勧めと思います)。

4.光軸について
非球面鏡を使用しているBRC-250などと比べると、光軸合わせは容易だと思います。また、車で運搬すると、副鏡の傾きが若干ずれます。そのため、毎回、現地で、星像を見ながら副鏡の調整を行う必要がありました。主鏡の光軸は運搬時もずれたことはありません。

5.鏡筒バンドの形状は?
Mewlon-300CRSの鏡筒バンドは、上下分割式です(なんと、鏡筒バンドだけで税込12万円もします!)。バンドの両側をM10ネジで締め付けるようになっています。特に使いづらいと感じたことはありません。ちなみに、ε-250と鏡筒径が同じですので、ε-250のバンドを流用することも可能です。

以上、ご参考になれば幸いです。

一世を風靡した撮影システム

古い望遠鏡のパーツを整理していたら、ペンタックス望遠鏡用のPentax67回転装置が出てきました。ちょうど、ペンタックス67ボディが手元にあったので、ビクセン VSD100 F3.8 に取り付けてみると、下の写真のようにぴったりです。



鏡筒がペンタックスからビクセンに変わりましたが、1990年頃、中判銀塩フォーマットとPentax100SDUFを使って、天体撮影を楽しんでいた方には、懐かしい組み合わせではないでしょうか。



久しぶりに、中判銀塩フィルムでの星雲撮影も面白いかなと思いましたが、ペンタックス100SDUFIIは、イメージサークルが88ミリありましたが、VSD100は70mmと小さくなっています。ペンタックス67の対角は89ミリあるので、VSD100では光量がかなり落ち込みそうですね。

Red Cat51が注目株

先日は赤道儀について書きましたが、天体望遠鏡では、Wiilam Optics社の「Red Cat51」が天文ファンに注目されているようです。

Red Cat51は、口径51ミリの天体望遠鏡で、光学系には4枚玉ペッツバール式が採用されています。ピント合わせ機構には、ドロチューブではなく、レンズ摺動方式が採用されていますので、望遠鏡というより、コーワ PROMINAR 500mm F5.6L のようなテレフォトレンズになりますね。付属品が豊富で値段も手頃なので、人気が出るのもわかるような気がします。

Red Cat

今月号の星ナビの特集記事でも紹介されていましたが、6センチ前後の高性能望遠鏡は大きさが手頃で、これから天体撮影を始めてみようという方にも人気があります。

口径6センチ前後で撮影に適した望遠鏡では、昨年登場したビクセンFL55Sが思い浮かびます。ただ、本体だけで約10万円と価格が高く、補正レンズも含めると18万円前後にもなるため、なかなかお勧めしづらい面がありました。

そのため、お問い合わせをいただいた際は、天体望遠鏡らしいシルエットのタカハシFS-60CBをご紹介していましたが、これからの天文ファンの評価如何では、Red Cat51も選択肢の一つになりそうですね。

ちなみにFS-60CBは以前、所有していましたが、今は手放してしまいました。その後、FC/FSマルチフラットナー1.04×が出ましたので、手元に置いておけば良かったなと後悔している鏡筒です。

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