星空日誌「つぶやき」

Red Cat51が注目株

先日は赤道儀について書きましたが、天体望遠鏡では、Wiilam Optics社の「Red Cat51」が天文ファンに注目されているようです。

Red Cat51は、口径51ミリの天体望遠鏡で、光学系には4枚玉ペッツバール式が採用されています。ピント合わせ機構には、ドロチューブではなく、レンズ摺動方式が採用されていますので、望遠鏡というより、コーワ PROMINAR 500mm F5.6L のようなテレフォトレンズになりますね。付属品が豊富で値段も手頃なので、人気が出るのもわかるような気がします。

Red Cat

今月号の星ナビの特集記事でも紹介されていましたが、6センチ前後の高性能望遠鏡は大きさが手頃で、これから天体撮影を始めてみようという方にも人気があります。

口径6センチ前後で撮影に適した望遠鏡では、昨年登場したビクセンFL55Sが思い浮かびます。ただ、本体だけで約10万円と価格が高く、補正レンズも含めると18万円前後にもなるため、なかなかお勧めしづらい面がありました。

そのため、お問い合わせをいただいた際は、天体望遠鏡らしいシルエットのタカハシFS-60CBをご紹介していましたが、これからの天文ファンの評価如何では、Red Cat51も選択肢の一つになりそうですね。

ちなみにFS-60CBは以前、所有していましたが、今は手放してしまいました。その後、FC/FSマルチフラットナー1.04×が出ましたので、手元に置いておけば良かったなと後悔している鏡筒です。

協栄オリジナルのSXP赤緯体

先日、天体望遠鏡ショップの協栄産業から、SXD2赤道儀リミテッドが発売されました。SXD2赤道儀の架頭部分をSXP仕様に変更した、ショップオリジナルモデルです。

SXD2赤道儀の架頭はアリミゾ金具が標準装備で、個人的には便利だと思っていましたが、ε-130Dなどを使用する場合は、よりワイドな3インチ幅のアリガタを使われる方も多く、そのような方には不評でした。

SXPとSXD

また、SXD2赤道儀は赤緯の回転が渋く、バランスが取りにくい点も不評でした。SXD2赤道儀リミテッドは、これらの問題点を解決したモデルで、なかなか好評のようです。SXP赤道儀の後継機であるSXP2赤道儀が高くなりすぎたので、その間を埋めるモデルとしても注目されているのでしょう。

また、既存ユーザーからの要望にこたえ、最近、SXP赤道儀のヘッド部分だけが改造キットとして販売開始されました。

我が家にもSXD赤道儀がありますが、同じく赤緯の動きが渋い点が残念でした。このキットを使用して、SXP赤道儀と同じような使用感が得られるなら、交換してまた復活させようかという気もわいてきます。このような便利なキットの単体販売は、ユーザーとして嬉しいですね。

シグマ15ミリフィッシュアイレンズ 訳あり品

昨夜は晴れていましたが、黄砂とPM2.5の影響で空が白っぽく、星がほとんど見えませんでした。こんな日は、遠征しても、クリアな写真を撮るのは難しいですね。

中古機材のページに、シグマのフィッシュアイレンズ「シグマ 15mm F2.8 EXFISHEYE レンズ(ニコンFマウント用)」を追加しました。シグマのフィッシュアイレンズは、星空撮影ファンに人気の高いレンズで、これからの時期、夏の天の川を撮影するときに便利なアイテムです。

シグマ15ミリレンズ

フードを切り取っている訳あり品なので、お安くしていますが、動作は正常です。もしご興味があれば、お問い合わせいただければ幸いです。

なお、現行モデルは、レンズのコーティングが見直されて、 シグマ 15mm F2.8EX DG FISHEYEに名称が変わりましたが、レンズ構成やその他の仕様は同じです。

ビクセンVSD100F3.8と口径食

最近、ビクセンVSD100F3.8望遠鏡について、お問い合わせをいただきます。タカハシFSQ-106EDが4月から値上げされたので、その代わりとして注目されているのでしょうか。

いただいたお問い合わせの中で、星像に楔が入ったような割れが発生するかどうかというご質問がありました。回折光芒により、明るい星が下のような形に写ってしまう現象で、一般的に「星割れ現象」と呼ばれます。これは、口径食によって主に発生する現象です。

口径食による星像

口径食は、カメラレンズの場合はレンズを絞れば減少しますが、絞り機構のない天体望遠鏡の場合は、発生を防ぐ方法はほとんどありません。ですので、気にされる方は結構いらっしゃるように思います。

お尋ねのビクセンVSD100F3.8について、残念ながら、星割れ現象は発生します。下画像は、ニコンD810Aを取り付けてカリフォルニア星雲を撮影した写真ですが、端の星を拡大すると、星が楔が入ったように割れているのがわかります。それほど大きな割れではないので、個人的には気にならない程度ですが、ご参考になれば幸いです。

VSD100と口径食

ちなみに、VSD100ほどは目立ちませんが、タカハシFSQ-106EDでも星割れ現象は発生します。星割れ現象を完全になくすには、後群レンズの直径を大きくするしかないと思います。

その他、VSD100の使い心地については、撮影機材ページの「ビクセン VSD100F3.8 レビュー」のページをご覧ください。

ステラナビゲーター11が発売

本格的に花粉が飛び始めているのでしょう、花粉症の症状が酷くなってきました。春というと明るいイメージですが、今は花粉症の人も増えて、憂鬱な季節だと感じる人も多いでしょうね。

明日、アストロアーツ社から、天文シミュレーションソフト「ステラナビゲーター11」が発売開始されます。ステラナビゲーター10が発売開始されたのが2014年3月でしたので、ちょうど5年ぶりのバージョンアップです。前回は、約3年半のバージョンアップでしたので、今回は少し期間が開いた感じでしょうか。



今回のバージョンアップでは、星図画面を一新し、天の川の描写などがより詳細になっているようです。リアルな星空をパソコン画面でシミュレーションできるのは嬉しいですね。

その他、撮影計画に便利な機能が追加されたとのことです。天体撮影ファンとしては、こちらの方が気になると思います。天体撮影時のナビゲーションや、自動導入ソフトとして、使い勝手が向上していることを期待しています。

ちなみに、私がステラナビゲーターを初めて使用したのは、バージョン6のときです。バージョン6は使い勝手が良かったのですが、7にバージョンアップしたところ、赤道儀をソフトウェア上で自動導入すると、パソコンがフリーズする問題が発生しました。その後、改善されたようですが、それからしばらくの間は、The Sky 6を愛用していました。

現在は、ステラナビゲーター10をメインパソコンで使用し、古いパソコンには「Cartes du Ciel」という、フリーのプラネタリウムソフトをインストールしています。使い勝手で言うと、やはり日本語のステラナビゲーター10の方が使いやすいので、11の発売が楽しみです。

天文機材の価格推移

増税前の駆け込みでしょうか、牛乳やその他の飲料、カップ麺など幅広い食品の値上げが相次いでいますが、望遠鏡や天文機材も、一昔前に比べてかなり価格が上がったなと感じます。



そこで、昔からある現行天文機材について、以前の価格と現在の価格を比べて、どのくらい値上がりしたのか調べてみました。

1.タカハシε-180ED
言わずと知れた、高橋製作所の天体撮影専用の望遠鏡です。星像はシャープですが、光軸調整や取り扱いがシビアで手間がかかる鏡筒です。

発売開始された2005年は、380,000円(税別)でした。2019年現在は、448,000円(税別)です。14年間で約18%の値上がりです。

2.タカハシ FSQ-106ED
イプシロンシリーズと人気を二分する、高性能の屈折望遠鏡です。これ一本あれば、眼視から撮影まで楽しめるので、今も人気の高い鏡筒です。

発売開始された2007年は、438,000円(税別)でした。2019年現在の価格は、523,000円(税別)です。12年間で約20%の値上がりです。

3.ビクセン SD103S
ビクセンの口径10センチの屈折望遠鏡です。発売開始当時は、ビクセンED103Sという名称でしたが、接眼部がマイナーチェンジされて、SD103Sに変わりました。

発売開始された2005年は、195,000円(税別)でした。2019年現在の価格は、200,000円(税別)です。14年間で約2.5%の値上がりです。

4.笠井トレーディング Ninja-400
バックヤードプロダクツ社が製造している大型ドブソニアン。パーツを分解できるので運搬しやすく、光軸再現性も高いので評判が良い望遠鏡です。

2007年当時の価格は、571,000円(税別)でした。2019年現在の価格は、700,000円(税別)です。12年間で約23%の価格上昇です。

5.ニコン7×50SP
星空観望のスタンダードモデルとして、昔から定評のある双眼鏡です。見掛け視界はやや狭いですが、シャープな星像が見ていて気持ちのいい一台です。

2004年当時の価格は、81,000円(税別)でした。2019年現在の価格は、95,000円(税別)です。15年間で約17%の価格上昇です。

6.キヤノン10×42 L IS WP
贅沢な光学系が採用されて、星空観望に最適とも言われている防振双眼鏡です。キヤノンの防振効果は素晴らしく、手持ちで観望を楽しむならこのシリーズがお勧めです。

発売開始された2005年の価格は、180,000円(税別)でした。そして2019年現在の価格も180,000円(税別)です。

7.星空シミュレーションソフト ステラナビゲーター
利用者の多い、アストロアーツ社の星空シミュレーションソフトです。この3月下旬に最新バージョン11が発売開始となります。

2004年のステライメージ7は15,000円(税別)でしたが、2019年発売のステラナビゲーター11の価格も15,000円(税別)です。

以上、一部の天文機材の価格を比較してみましたが、ビクセンの屈折望遠鏡やキヤノンの双眼鏡を除くと、ここ十数年で、おおよそ20%程度値上がりしているようです。物価上昇率を考えると仕方がないところでしょうか。

※一部の機材の過去の価格は、税込価格(内税表示価格)のみの表示でしたので、計算した税抜価格(概算値)を記載しています。

※タカハシFSQ-106EDは、2019年4月より523,000円から545,000円に更に値上がりします。

光害カットフィルターと日本の夜空

光害カットフィルターと言えば、以前は、IDAS社製やAstronomik社製ぐらいしかありませんでしたが、最近は、これまで聞いたことのなかったメーカーからも発売されるようになりました。それだけ、星空撮影に興味を持つ方が増えてきたのでしょうね。

現在、横浜で開催されているCP+2019では、ケンコーが光害を軽減する星景・夜景撮影用フィルター「スターリーナイト」を展示しています。4月から発売開始ということで、実際に使用するのが楽しみなフィルターです。

光害カットフィルター

ただ、これまで実際に数社の光害カットフィルターを使用した印象としては、コントラスト向上の効果は確かに感じられるものの、劇的な向上は望めないだろうと思っています。

これは、海外では光害カットフィルターの効果が得やすいナトリウムランプ照明が主流であるのに対し、日本では波長の広い蛍光灯による照明が主流となっているためです。また近年は、より明るいLED照明が街灯に用いられているので、空自体がかなり明るくなってしまっています。

欧米諸国に比べると、日本の住宅地の街灯は非常に明るく、夜でも昼間と大して変わらないように気軽に歩き回ることができます。街灯だけでなく、室内の照明も明るく、間接照明が主流の外国に比べて目が疲れるように感じます。根本的に、日本の都市部は諸外国と比べて、明るすぎるでしょう。

実例として、2017年にアメリカオレゴン州の州都セイラムに出かけ、セイラムから車で30分ほどの場所に滞在しましたが、都市部から40キロほどしか離れていない場所でも、天頂付近の天の川がよく見えました。

オレゴンの空

上は、その時にデジカメで撮影したスナップ写真です。写りは良くありませんが、夏の天の川銀河が写っているのがわかります。

LEDが推奨されるようになって、日本の星空環境の悪化に拍車がかかっているように思います。私がまだ学生の頃は、自宅からでもモノクロフィルムとフィルターを使って星雲などの撮影を楽しむことができましたが、今はもう無理です。最近の自宅周りは明るくなりすぎて、惑星や月の撮影以外は撮影する気になれません。

光害カットフィルターが各社から発売されるのは喜ばしいことですが、「明るいことは良いことだ」という日本の考え方が改まらない限り、日本で星空撮影を楽しむのは今後ますます難しくなると思います。

先日、「本物の星空は、テカポじゃないと見られない」と仰る方にお会いしました。でも、場所が違っても、星空は同じように私たちの頭上に輝いています。人工の光が減れば、日本でも、テカポのような満天の星空を見ることができるはずです。せっかく星空に注目が集まっている今、星空環境を取り戻す運動がもっと高まってほしいと思います。

デジタル対応補正レンズが限定再生産

先日、キヤノンからミラーレス一眼「EOS RP」が発表されました。手に入れやすい16万円前後という実勢価格もあって、カメラファンから注目されています。

キヤノンEOS RPカメラの登場で、新しいEOS Rマウントが一気に普及しそうですね。ニコンZシリーズも、是非、このような機種を出してほしいと思います。

デジタル対応補正レンズ

ところで、今日から、タカハシε-160/130用デジタル対応補正レンズ(42,000円)が発売開始されました。この補正レンズは、2009年と2013年に限定で再生産され、生産終了後は、オークションなどで高値で取引されています。

要望が多かったため、今回の再生産に至ったようで、これが最後の限定再生産とメーカーはアナウンスしています。ε-160やε-130のユーザーは、この最後のチャンスに購入しておくのがいいかもしれませんね。

AXJ赤道儀用のエンコーダー

ビクセンから、AXJ赤道儀用の両軸エンコーダーが発売開始されました。2年前のCP+の会場で注目を集めていたエンコーダーがついに登場です。

エンコーダーを取り付けるメリットは、赤道儀のクランプを緩めて手動で鏡筒の向きを変えた場合でも、望遠鏡の向きを星図上に表示できることです。AXJ赤道儀の場合は、更に、追尾状況も検知し、高精度追尾も実現しています。

AXJ用エンコーダー

エンコーダーの希望小売価格は19万円と高額ですが、機能を考えると魅力的なオプション機器のように思います。

赤道儀用のエンコーダーと言えば、昔、パルステック社のアストロスケールが人気を集めました。私も所有していますが、デジタル表示器が故障してしまいました。

アストロスケール

当時、エンコーダーは、あくまで導入支援装置という位置づけで、赤道儀の追尾精度を向上させる機能はありませんでした。やがて、赤道儀のモーターが高速駆動可能になり、自動導入も可能になると、アストロスケールの人気は下がり、生産中止になりました。

AXJもそうですが、最近の高精度エンコーダーは、追尾精度にも一役買っているのが特徴です。エンコーダー付きの赤道儀としては、「10 Micron」社の製品が有名ですが、この赤道儀も大変な高精度です。

個人的には、オートガイダーがあるので、天体撮影には、モーターのレスポンスの方が重要だと感じていますが、子午線を超えて鏡筒を反転するときには、一旦クランプを緩めても、望遠鏡の向きが表示されるエンコーダーは便利と思います。

いずれにせよ、赤道儀にメーカー純正のエンコーダーが後付できるのは、面白い試みだと思います。AXJ赤道儀の評価いかんによっては、他機種用のエンコーダーも登場するかもしれませんね。

ウィルタネン彗星の観望・撮影機材

これから2019年1月中旬にかけて、ウィルタネン彗星(46P)が見頃になると予想されています。

ウィルタネン彗星が最も明るくなるのは12月中旬で、この頃の予想光度は3等台後半〜4等程度の明るさになると言われています。今年はじめの予想光度は3等級でしたので、ややトーンダウンした感じですが、今年を締めくくる天文イベントになりそうですね。

双眼鏡

ウィルタネン彗星の姿を確認するには、双眼鏡を用意しましょう。彗星の場合、肉眼等級と言っても、淡く広がっているため、実際に肉眼で観察するのはなかなか難しいものです。双眼鏡があれば、発達した尾も確認できるかもしれません。

ウィルタネン彗星を撮影する場合は、明るい光学系が有利です。彗星撮影には、200ミリ前後のカメラレンズが便利ですが、500ミリ前後の望遠鏡も、拡大して撮影できるので、迫力ある写真を撮れるでしょう。

彗星

4等級の彗星というと、2013年冬の「ラブジョイ彗星(C/2013 R1)」を思い出しますが、この彗星を焦点距離500ミリのタカハシε-180EDとフルサイズデジカメで撮影すると、上の写真のように写りました。この写真だけを見ると、大彗星のように見えますね。

ところで、ウィルタネン彗星は、12月16日に、おうし座のすばる(M45)に接近します。接近時の両者の距離は約3.5度なので、視野の広い双眼鏡なら、二つの天体を同視野に捉えることができるでしょう。

すばる

すばるとウィルタネン彗星を撮影する場合は、200ミリより画角の広いレンズがお勧めです。上は、フルサイズデジタル一眼レフと焦点距離200ミリのカメラレンズの画角です(ステラナビゲーター10にて作成)。

また、12月19日〜20日にかけては、カリフォルニア星雲と接近します。すばるとの接近に比べると、やや距離が離れているので、150ミリより短いレンズが必要になりますが、彗星の青緑と星雲の赤のコントラストが映える写真に仕上がりそうです。

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