星空日誌「つぶやき」

AXJ赤道儀用のエンコーダー

ビクセンから、AXJ赤道儀用の両軸エンコーダーが発売開始されました。2年前のCP+の会場で注目を集めていたエンコーダーがついに登場です。

エンコーダーを取り付けるメリットは、赤道儀のクランプを緩めて手動で鏡筒の向きを変えた場合でも、望遠鏡の向きを星図上に表示できることです。AXJ赤道儀の場合は、更に、追尾状況も検知し、高精度追尾も実現しています。

AXJ用エンコーダー

エンコーダーの希望小売価格は19万円と高額ですが、機能を考えると魅力的なオプション機器のように思います。

赤道儀用のエンコーダーと言えば、昔、パルステック社のアストロスケールが人気を集めました。私も所有していますが、デジタル表示器が故障してしまいました。

アストロスケール

当時、エンコーダーは、あくまで導入支援装置という位置づけで、赤道儀の追尾精度を向上させる機能はありませんでした。やがて、赤道儀のモーターが高速駆動可能になり、自動導入も可能になると、アストロスケールの人気は下がり、生産中止になりました。

AXJもそうですが、最近の高精度エンコーダーは、追尾精度にも一役買っているのが特徴です。エンコーダー付きの赤道儀としては、「10 Micron」社の製品が有名ですが、この赤道儀も大変な高精度です。

個人的には、オートガイダーがあるので、天体撮影には、モーターのレスポンスの方が重要だと感じていますが、子午線を超えて鏡筒を反転するときには、一旦クランプを緩めても、望遠鏡の向きが表示されるエンコーダーは便利と思います。

いずれにせよ、赤道儀にメーカー純正のエンコーダーが後付できるのは、面白い試みだと思います。AXJ赤道儀の評価いかんによっては、他機種用のエンコーダーも登場するかもしれませんね。

ウィルタネン彗星の観望・撮影機材

これから2019年1月中旬にかけて、ウィルタネン彗星(46P)が見頃になると予想されています。

ウィルタネン彗星が最も明るくなるのは12月中旬で、この頃の予想光度は3等台後半〜4等程度の明るさになると言われています。今年はじめの予想光度は3等級でしたので、ややトーンダウンした感じですが、今年を締めくくる天文イベントになりそうですね。

双眼鏡

ウィルタネン彗星の姿を確認するには、双眼鏡を用意しましょう。彗星の場合、肉眼等級と言っても、淡く広がっているため、実際に肉眼で観察するのはなかなか難しいものです。双眼鏡があれば、発達した尾も確認できるかもしれません。

ウィルタネン彗星を撮影する場合は、明るい光学系が有利です。彗星撮影には、200ミリ前後のカメラレンズが便利ですが、500ミリ前後の望遠鏡も、拡大して撮影できるので、迫力ある写真を撮れるでしょう。

彗星

4等級の彗星というと、2013年冬の「ラブジョイ彗星(C/2013 R1)」を思い出しますが、この彗星を焦点距離500ミリのタカハシε-180EDとフルサイズデジカメで撮影すると、上の写真のように写りました。この写真だけを見ると、大彗星のように見えますね。

ところで、ウィルタネン彗星は、12月16日に、おうし座のすばる(M45)に接近します。接近時の両者の距離は約3.5度なので、視野の広い双眼鏡なら、二つの天体を同視野に捉えることができるでしょう。

すばる

すばるとウィルタネン彗星を撮影する場合は、200ミリより画角の広いレンズがお勧めです。上は、フルサイズデジタル一眼レフと焦点距離200ミリのカメラレンズの画角です(ステラナビゲーター10にて作成)。

また、12月19日〜20日にかけては、カリフォルニア星雲と接近します。すばるとの接近に比べると、やや距離が離れているので、150ミリより短いレンズが必要になりますが、彗星の青緑と星雲の赤のコントラストが映える写真に仕上がりそうです。

ビクセンSXP2赤道儀

先日、協栄産業大阪店で、ビクセンの新しい赤道儀「SXP2赤道儀」の実機に触れる機会がありました。従来のSXP赤道儀は、エンブレムを見なければ、SXD2と見分けにくかったのですが、SXP2は一目で上位機種とわかりました。

SXP2赤道儀は、極軸支持部分がAXJ赤道儀と同じ構造になったため、外観もがっしりした印象です。少し触ってみましたが、確かにSXPに比べて安定感が増したように感じました。

SXP2赤道儀

また、赤経軸のクランプフリー時の動きが、SXPでは非常に軽かったのですが、SXP2では少し粘りのあるような動きに変わっていました。AXD赤道儀と同じような感じですね。ベアリングの変更によるものでしょう。

電源を入れて動作を確認させてもらったところ、ベルトドライブが採用されたことにより、駆動音が静かになったように感じました。と言っても、モーターの駆動音は響きますので、劇的な変化というほどではありませんが、静かな場所ではまた違う印象を受けるかもしれません。

SXP2は、新型カーボン三脚ASG-CB90に載せられていました。軽くて強度も高い三脚という触れ込みですが、脚部は細く、やや不安に感じます。ただ、メーカー曰く、AXJ赤道儀を搭載できる十分な強度があるということですので、実用上は問題ないのでしょう。

前作SXP赤道儀は、SXDからの買い替え需要も大きく、望遠鏡業界では希に見るヒット商品でした。SXPは今でもユーザーの満足度の高い機材ですので、SXP2赤道儀に買い換える人はそれほど多くないのではないでしょうか。価格も高くなりましたので、SXP2が今後どう評価されていくか気になるところです。

シグマ 105mm F1.4 DG HSM レンズ

月曜日の夜に八塔寺に出かけましたが、残念ながら、雲の多い星空。台風が湿気を運んできたのでしょうね。前夜の方が天気が良かったそうで、出かける日を間違えてしまいました。

八塔寺では、シグマの新しい大口径中望遠レンズ「105mm F1.4 DG HSM」を試してみました。幸いレンズが明るく、短時間露光できるので、雲間に何枚か撮影できましたが、本格的な撮影は次回に持ち越しになりました。

Sigma 105mm F1.4 DG HSM

試写の結果では、絞り開放(F1.4)で撮影すると、フルサイズの画角周辺では収差の影響で星像が崩れてしまいますが、 1段絞るとかなり改善され、2段絞ると四隅までシャープな星像が得られました。

シグマ105mm F1.4 DG HSMレンズとフルサイズカメラを使って星野撮影する場合、F2.2〜F2.5で撮影すると、星像と明るさのバランスが良さそうだと感じました。

ニコンZ7

台風25号が接近している影響で、また天気が悪くなってきましたね。次の3連休は月が小さく、天体撮影に好時期なのですが、残念ながら雨のようです。早く秋晴れが来てほしいですね。

先月末、ニコン期待のフルサイズミラーレス「ニコンZ7」が発売開始されました。ネット上には、早速購入された方々のいろいろなレビューが掲載されていますので、参考にしながらZシリーズを購入するかどうか考えているところです。

ニコンZ7

ニコンZ7は、ファインダーが非常に見やすい、画質が詳細という点が評価されているようです。一方、レンズラインナップが少ない、瞳AF機能が搭載されていないという点が不満点として挙げられています。

個人的に試写した印象としては、ニコンのデジタル一眼レフカメラに比べると、コマンドボタンなどが若干使いづらく、ユーザーインターフェースに改善の余地があるのではないかと思いました。また、レンズラインナップが寂しいですね。

一方、画質やファインダーは、皆さんのおっしゃるとおり、素晴らしいです。また、D850から進化した静音撮影機能も便利だと感じました。

カメラの要はレンズですので、1年後、どれだけ魅力的なレンズが出ているかで、購入を決めるのがいいかもしれません。といいつつ、ニコンZ6が発売されたら購入してしまいそうですが(笑)。

キヤノンEOS Rを触ってみて

15時過ぎから、台風24号の影響で風雨が強まってきました。自治体からは、避難準備のお知らせが出ています。台風21号の後片付けは大変でしたので、今回は何事もなく過ぎ去ってほしいところです。

昨日、大阪でキヤノンEOS Rのイベントが開催されました。せっかくなので立ち寄ってみたのですが、台風24号の影響で日曜日の開催が中止になったため、土曜日に来場が集中したのか、会場は非常に混雑していました。ニコンのZ7のイベントといい、フルサイズミラーレスは、注目度が高いですね。

EOS Rボディ

試写コーナーでは、キヤノンEOS RとRF24-105mm F4L IS USMの組み合わせで撮影を楽しむことができました。カメラ本体はコンパクトですが、フルサイズ対応のレンズは、ずっしりしていて大きいです。ただ、ホールドしづらいということは ありませんでした。レンズ先端に設けられたコントロールリングが便利だと感じました。

ボディの操作性については、一眼レフとは操作方法が変わったので、慣れるまで戸惑いそうです。星の場合は関係ありませんが、速写が求められる状況では、サブ電子ダイヤルのある一眼レフの方が便利だと思います。

キヤノンEOS R

会場では、低照度下でのAF機能のデモも行なわれていました。F1.2のレンズでの撮影時、中央測距点を使うと、EV-6の暗さでもAFでピントを合わせることができます。星空の明るさはおおよそEV-4前後と言われていますので、星にもAF機能が使えそうですね。

時間の関係で詳しい点はチェックできませんでしたが、イベント会場の試写では、全体的に良い印象を持ちました。EOS Rボディは、実売価格で23万円前後です。ニコンZ7の40万円前後という価格と比べると、これなら買ってみようかなと思わせるのが、キヤノンの商売の上手いところですね。

ビクセンSXP2赤道儀が登場

9月26日、ビクセンがSXP2赤道儀を発表しました。SXP2は、生産が終了していたSXP赤道儀の後継機ですが、想像していたより早い発表でした。

新しくなったSXP2赤道儀では、上位機種のAXJ赤道儀と同じく、ベルトドライブや、極軸をフォーク式で支える構造を採用しています。従来のSXP赤道儀は、SXD2のベアリング数を多くしただけというイメージがありましたが、SXP2になって、SXシリーズ最高峰モデルという装いになった印象です。

ビクセンSXP2赤道儀

個人的には、SXP2の極軸傾斜角の調整ネジに、これまでのタンジェントスクリューではなく、AXJやAXDと同じ方式が採用されて強度が増した点が嬉しいです。ベルトドライブのレスポンスも、SXPユーザーとしては気になります。

SXP2は、その他、ベアリングの変更などにより、最大搭載重量が16キロから17キロにアップしています。希望小売価格は、52万5000円、SXPと比べると少々高い印象を受けますね。なお、発売開始は2018年10月19日の予定です。

ビクセンSXP2のライバルとなるのは、高橋製作所のEM-200Temma2Zでしょう。価格、強度ともにほぼ同じですので、SXP2がロングセラーのEM-200Temma2にどれだけ食い込んでいけるか、注目したいですね。

ソニーから小型軽量で明るい24ミリレンズ

ソニーが、35mmフルサイズ対応のEマウントレンズ、「FE 24mm F1.4 GM」を発表しました。開放F値が明るく、画角も広いので、星景写真や星座写真用として注目を集めそうですね。

FE 24mm F1.4 GMの特色として、非球面レンズ2枚と特殊低分散レンズ3枚を用いて、各収差を良好に補正しているということですが、個人的に驚いたのは、その軽さとコンパクトさです。ソニーFE 24mm F1.4 GMレンズの重量は約445gと、F1.4クラスの広角レンズとしては非常に軽いのです。

FE 24mm F1.4 GM

参考までに、私が星空撮影用に愛用しているシグマの24mm F1.4 DG HSMは665g、ニコンのAF-S NIKKOR 24mm f/1.4G EDは620g、キヤノンのEF24mmF1.4LII USMは、650gの重量となっています。今回発表されたソニーのFE 24mm F1.4 GMは、それらのレンズと比べて、200g前後も軽いことになります。

またフィルター径も、他社は77mm径を採用していますが、ソニーFE 24mm F1.4 GMレンズは67mmと、10mmも小さくなっています。本当に小型軽量の明るい広角レンズですね。

ソニー製カメラは所有していませんが、もし持っていたら、欲しくなる一本だと思います。フルサイズミラーレスを発表したニコンやキヤノンからも、このような明るくて軽量のレンズが登場すると嬉しいですね。

フルサイズのミラーレス一眼のメリット

新月期なのですが、秋雨前線の影響で天気が優れません。週間天気予報を見ても期待薄ですね。

ところで、ニコンに続き、キヤノンからも35ミリフルサイズのミラーレス一眼「EOS Rシステム」が発表されました。さらにフルサイズのミラーレス一眼に注目が集まりそうですね。

ミラーレスと一眼レフ

一般的に、小型で軽量という点がミラーレスの利点ですが、天体写真撮影という点から見ると、次の2点のメリットが大きいのではないでしょうか。

1.ミラーボックスによるケラレが発生しにくい
2.フランジバックが短いので光路上にオフアキなどを入れやすい

1番については、周辺減光のために行うフラット補正が合いやすくなると思います。下は、EOS5DMarkIIとミラーレス化したEOS6D(Astro6D)の周辺減光の様子ですが、ミラーレス化したカメラにはケラレが発生しておらず、周辺減光がなだらかです。

周辺減光

マウント構造にもよりますが、今後、発売されるミラーレスも、周辺減光は同じ傾向になるのではないでしょうか。特にニコンの場合はマウント径も大きくなるので、楽しみですね。

2番のフランジバックについては、キヤノンの場合は44ミリ→20ミリ、ニコンは46.5ミリ→16ミリと、どちらも半分以下になります。

天体望遠鏡で天体撮影する場合、補正レンズからセンサーまでの距離が厳密に決められていますので、カメラと補正レンズの間にオフアキシスガイダーを挿入する場合は、いろいろな制約がありました。

しかし、ミラーレスになるとフランジバックが短くなるので、20ミリ以上の余裕が出ることになります。これなら、オフアキや各種アダプターを間に入れることができそうです。

ただ逆に、ミラーレス用に開発されたレンズは、バックフォーカスが短いので、冷却CCDカメラや他社製カメラには使用しづらくなるでしょうね。今のところ、レンズラインナップは限定的ですが、天体撮影向きの高性能な中望遠レンズが発売されると、カメラボディ自体も買う必要が出てきそうです。

ハーモニックドライブ CRUX 170HD赤道儀

先月の台風20号の大雨も大変でしたが、台風21号の強風と高潮には参りました。停電が解消していない地区もあり、少しでも早い復旧が待たれます。

先日、福岡に出かけた際、天文ハウスTOMITAさんにお邪魔してきました。

天文ハウストミタ

上は、店舗の外観です。店舗内は、とても広々としていて明るく快適です。天体望遠鏡などの機材も整理されていて、居心地のよい望遠鏡ショップでした。

ハーモニックドライブ赤道儀

お店では、ハーモニックドライブを搭載した新型赤道儀、CRUXシリーズを見せていただきました。上は、シリーズの中では小型の「CRUX 170HD」です。外観は、タカハシEM-11赤道儀と同じくらいの大きさですが、最大積載重量は18キロとEM-200赤道儀並です。

実際に電源を入れて、両軸の動きも確認させていただきましたが、とても滑らかで力強い動きでした。ハーモニックドライブ(波動歯車装置)が高価なため、販売価格は70万円と高くなってしまいますが、気になる機材です。荷物を減らせるので、海外遠征用としても魅力的ですね。

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