星空日誌「つぶやき」

明日は皆既月食と天王星食

明日の夜(11月8日)、全国で皆既月食が見られます。食の最大時刻は19時59分です。20時頃に東の空を見上げれば、赤い月が輝いているはずです。

そして、皆既中の月に天王星が隠されるという、天王星食が起こります。月が惑星を隠す現象を「惑星食」と言いますが、惑星食自体が珍しいのに、皆既月食中となると、激レアな現象です。是非とも見たい天文現象ですね。



天王星が月に潜入する(隠されていく)位置や時刻は、観測する場所によって異なります。例えば、沖縄の那覇市だと20時13分頃ですが、大阪では20時31分頃、東京では20時41分頃になります。

北に行くほど潜入時刻が遅くなりますが、詳しくは国立天文台のページをご覧ください。ライブ中継も行われるようですので、天候や都合の悪い方は、映像で楽しまれてはいかがでしょう。明日は是非、天候に恵まれてほしいですね。

追記:天王星は6等級と暗いので、肉眼ではまず見えません。特に夜空の明るい都会では全く見えないです。天王星食を観測する場合は、大きめの双眼鏡か天体望遠鏡を使って楽しみましょう。

梅雨が明けたら惑星シーズン

発達した梅雨前線の影響で強い雨が続いていますが、梅雨明けも気になり始める頃ですね。

近畿地方では平年、7月21日頃が梅雨明けです。しかし、今年の沖縄地方は平年に比べて11日、梅雨明けが早かったので、それに倣えば、近畿地方も次の週末ぐらいが梅雨明けになるでしょうか。



今年は7月14日に木星が衝を迎えます。また土星も、木星に続くように、その1週間後の21日に衝を迎えます。梅雨が明け、安定して晴れが続く気圧配置になれば、良シーイングに恵まれます。強拡大が必要な惑星撮影には最適の季節の到来ですね。

高解像度の惑星の撮影には、天体用のCMOSカメラが適しています。CMOSカメラには、センサーサイズの異なる様々な機種が発売されていますが、惑星にはセンサーサイズの小さなカメラが適しています。

惑星撮影にToUcamProやImaging Source社のカメラが用いられていた頃は、センサーサイズは1/4インチが主流でしたが、今は1/3インチの機種の中から選ぶのがお勧めです。



上は、私が使用している「ZWO ASI 224MC」と「ZWO ASI 290MM」です。290MMはモノクロセンサーが用いられているので解像度は高いですが、カラー画像を得るのは少々面倒です。実際、私も224MCを使用する機会が多くなっています。

惑星撮影は難しいと思われがちですが、実際に撮影してみると案外と簡単に写ると感じると思います。惑星は、光害の多い都市部でも撮影を楽しめるので、今年10月の火星準大接近に向けての練習も兼ねてトライしてみてはいかがでしょう。

なお、撮影方法については、Webサイトの惑星撮影の方法ページや惑星の画像処理ページにもまとめていますので、是非ご覧ください。

木星をMT-200で観望

昨夜はよく晴れていたので、ミラーを再メッキしたMT-200で木星を観望しました。

風が少しありましたが、幸い気流はそこそこ良く、木星の縞模様や大赤斑もよく見えました。やはりニュートン反射のシャープな中心像は、惑星観望に最適ですね。

MT-200

惑星観望の際の個人的な楽しみの一つは、アイピース比較です。昨夜は、手持ちのアイピースで木星の縞模様を見比べてみました。

比較したのは、タカハシHi-LE、SMCペンタックスOr、ニコンOr、SMCペンタックスXO、ビクセンLV、ビクセンHRです。個人的な感想ですが、ビクセン HR 3.4mm が最もコントラストが良く、木星の縞模様が見やすかったように思います。

2020年6月21日は部分日食です

明日(6月21日)日曜日の夕方、日本全国で部分日食が見られます。梅雨の時期なので、観測は難しいかなと思っていましたが、今の天気予報では晴天に恵まれる地域が多そうですね。

大阪市での部分日食開始時刻は、16時06分頃です。西空に傾いた太陽が少しずつ欠け始めます。食が最大となる(最も欠ける)のは、17時10分頃です。食分は0.54なので、三日月になるほど大きくは欠けませんが、太陽の40%ほどの面積が月に隠されます。

部分日食

太陽は非常に明るく危険なので、欠けている間でも、直接肉眼で見るのは絶対にやめましょう。観測の際は、日食観測用の専用フィルターを使って減光してください。天体望遠鏡を使用して観察する場合は、太陽投影板を使うと安心です。

カメラレンズや望遠鏡を使って部分日食を撮影する際は、太陽光を10万分の1程度に弱める減光フィルター(D5フィルターなど)を用いて、十分減光して撮影しましょう。

今回の部分日食を逃すと、次回、全国で部分日食が見られるのは、2030年6月1日になります(2023年4月にも一部の地域で部分日食を見られます)。せっかくの貴重な機会ですので、危険性には十分注意しつつ、部分日食を楽しみたいですね。

スワン彗星(C/2020 F8)を撮影しました

昨夜はよく晴れていたので、早起きして、東の空に見え始めたスワン彗星(C/2020 F8)を自宅から撮影してみました。

スワン彗星 2020

上が、今朝、撮影したスワン彗星(C/2020 F8)の姿です。薄明開始後の低空での撮影のため、コントラストが非常に悪いですが、彗星の核は、しっかりとした明るさを持っていることがわかります。また、核の右上には彗星の尾が伸びているのも確認できます。

撮影中、口径5センチの双眼鏡を使って、スワン彗星の姿を確認しようとしましたが、見つけることはできませんでした。冬場のような透明度の空であれば、彗星を確認できたように思いますが、春のよどんだ低空で姿を見つけるのは難しそうです。

予想によれば、スワン彗星(C/2020 F8)の現在の明るさは、5等級前後のようで、増光には陰りがあるようです。彗星は一夜にして化けることもあるので、油断せずに撮影を続けたいと思いますが、しばらくは屋根にかかって姿が見えなくなりそうです。撮影条件が非常に厳しい彗星ですね。

なお、今回、スワン彗星(C/2020 F8)の撮影に使用したのは、今年再メッキを施した「タカハシ MT-200」です。カメラは、冷却CCDカメラ「ST-2000XM」を用いました。1枚の露光時間は60秒で、LRGBカラー合成で仕上げています。

明日、火星が地球に最接近

いよいよ明日(7月31日)は、火星が地球に最接近します。最接近時の地球と火星の距離は、約5,759万キロメートルです。前回の火星大接近(2003年)のときは、約5,576万キロメートルでしたので、若干遠くなりますが、それでも約15年ぶりの火星大接近は楽しみですね。

火星大接近

気になる天候ですが、現在の予報によれば、晴天に恵まれる地域が多そうです。夜、晴れていれば、21時ごろに南東の夜空を見上げると、一際明るく輝く、赤い火星が見えるはずです。火星は接近すると赤く明るく見えるため、不気味に感じられるのか、不吉な星とされてきました。

日本の火星大接近の逸話では、1877年に火星が大接近したときの話が有名です。この年、火星が地球に約5,630万キロメートルまで近づいた時、日本は、西郷隆盛率いる士族との西南戦争の真っ只中でした。

西南戦争の結果は、ご存知のとおり薩摩軍が敗退し、西郷隆盛は9月24日に自決します。このような内乱の真っ最中に火星大接近が起こったため、人々は不気味な火星を眺めて不安になったことでしょう。

そして、西郷の死後、ある新聞が「遠眼鏡で火星を観ると、軍服姿の西郷隆盛が見えた」と報じたため、誰からともなく火星を「西郷星」と呼ぶようになり、西郷星を描いた錦絵が人気を博したそうです。

1877年と言えば、イタリアのスキャパレリが22センチの屈折望遠鏡を使って、火星面の詳細なスケッチを作成していた頃です。日本が西郷星で盛り上がっていた頃、このスケッチがきっかけとなり、世界は火星の運河論争へと突入していくことになります。

火星でダストストーム発生

地球に接近しつつある火星で、大規模なダストストーム(砂嵐)が発生しているとのこと、晴れ間があった土曜日の夜に、火星を撮影してみました。

火星ダストストーム

上画像の左側が土曜日に撮影した画像、右側は星図ソフトのシミュレーション画像です。撮影日の気流は悪く、実写画像の写りはかなり悪いです。

ちょうど、子午線の湾からクリュセ平原付近が地球に向いている時間帯でしたが、実写では模様はよくわかりません。ダストストームは、アキダリアの海付近で発生し、南下しているとのことなので、ちょうどこの付近に広がって、模様が見えなくなってしまっているのでしょうね。

火星の砂嵐は、昔は「黄雲(おううん」とか「大黄雲」と呼ばれていましたが、最近はダストストームと呼ぶのが一般的のようですね。

今夜は皆既月食

今夜は皆既月食が見られる日ですが、17時現在の大阪の天候は薄曇、今夜の天気予報は曇りです。どうやら、今回の月食の観測は雲越しになりそうです。



上写真は、2014年10月に日本で撮影した皆既月食の様子です。夜晴れたら、この写真のような、赤銅色の月が夜空で輝くでしょう。部分食が始まるのは、20時51分頃、その約1時間後に皆既食が始まり、22時半に食が最大になります。

今回の皆既月食は、かなり条件がよいので、なんとか天候が回復して欲しいですね。

2018年の火星大接近

新年明けましておめでとうございます。今年は元旦から晴天に恵まれ、気持ちの良い新年の朝を迎えることができました。本年も「天体写真の世界」をどうぞよろしくお願いいたします。

2018年は、2度の皆既月食に火星大接近と、天文現象に恵まれた1年になりそうです。まず最初は、今月末(1月31日)に起こる皆既月食が楽しみですね。

個人的には、7月31日の火星大接近に注目しています。そこで、火星の接近に合わせて、「火星大接近 2018」という特集ページをWebサイトに設けました。今後も新しい情報を追加していく予定ですので、是非、火星観望のお役に立てていただければ幸いです。

火星大接近2018

特設ページでも触れていますが、火星はおよそ15年ごとに地球に大接近します。前回、2003年の時は、21世紀最大の火星が見られるということで、大きな注目を集めました。

今回は前回に比べて若干小さいものの、15年ぶりの好条件です。直前になれば、お目当ての望遠鏡やアイピースが売り切れということもあり得ますので、早めに動いた方がよいかもしれませんね。

ふたご座流星群 極大日の天気

三大流星群のひとつに数えられる、ふたご座流星群の活動時期になりました。今年の極大時刻は、12月14日の15時頃と予想されているので、14日の宵から月が昇ってくる午前3時頃までが、観測に最も適した時間となります。

晴れさえすれば、コンスタントに流れ星が見られるふたご座流星群ですが、14日の近畿地方の天気予報は「曇り時々晴れ」と少々微妙です。現在、冬型の気圧配置が強まっている影響で、北部では雪が降っており、南部も天気が荒れてこないかが心配です。寒波の影響を受けづらい紀伊半島南部や、三重県南部まで出かければ、晴れ間を期待できるでしょうか。

ふたご座流星群

写真は2012年に撮影したふたご座流星群の写真です。この夜は晴天に恵まれ、数多くの流れ星を見ることができました。ただ、現地は風が強かったためもあり、非常に寒く、ダウンコートに包まって流れ星を数えていた覚えがあります。今年も寒そうですから、防寒対策をしっかりして、流れ星撮影を楽しみたいですね。

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