星空日誌「つぶやき」

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光害カットフィルターと日本の夜空

光害カットフィルターと言えば、以前は、IDAS社製やAstronomik社製ぐらいしかありませんでしたが、最近は、これまで聞いたことのなかったメーカーからも発売されるようになりました。それだけ、星空撮影に興味を持つ方が増えてきたのでしょうね。

現在、横浜で開催されているCP+2019では、ケンコーが光害を軽減する星景・夜景撮影用フィルター「スターリーナイト」を展示しています。4月から発売開始ということで、実際に使用するのが楽しみなフィルターです。

光害カットフィルター

ただ、これまで実際に数社の光害カットフィルターを使用した印象としては、コントラスト向上の効果は確かに感じられるものの、劇的な向上は望めないだろうと思っています。

これは、海外では光害カットフィルターの効果が得やすいナトリウムランプ照明が主流であるのに対し、日本では波長の広い蛍光灯による照明が主流となっているためです。また近年は、より明るいLED照明が街灯に用いられているので、空自体がかなり明るくなってしまっています。

欧米諸国に比べると、日本の住宅地の街灯は非常に明るく、夜でも昼間と大して変わらないように気軽に歩き回ることができます。街灯だけでなく、室内の照明も明るく、間接照明が主流の外国に比べて目が疲れるように感じます。根本的に、日本の都市部は諸外国と比べて、明るすぎるでしょう。

実例として、2017年にアメリカオレゴン州の州都セイラムに出かけ、セイラムから車で30分ほどの場所に滞在しましたが、都市部から40キロほどしか離れていない場所でも、天頂付近の天の川がよく見えました。

オレゴンの空

上は、その時にデジカメで撮影したスナップ写真です。写りは良くありませんが、夏の天の川銀河が写っているのがわかります。

LEDが推奨されるようになって、日本の星空環境の悪化に拍車がかかっているように思います。私がまだ学生の頃は、自宅からでもモノクロフィルムとフィルターを使って星雲などの撮影を楽しむことができましたが、今はもう無理です。最近の自宅周りは明るくなりすぎて、惑星や月の撮影以外は撮影する気になれません。

光害カットフィルターが各社から発売されるのは喜ばしいことですが、「明るいことは良いことだ」という日本の考え方が改まらない限り、日本で星空撮影を楽しむのは今後ますます難しくなると思います。

先日、「本物の星空は、テカポじゃないと見られない」と仰る方にお会いしました。でも、場所が違っても、星空は同じように私たちの頭上に輝いています。人工の光が減れば、日本でも、テカポのような満天の星空を見ることができるはずです。せっかく星空に注目が集まっている今、星空環境を取り戻す運動がもっと高まってほしいと思います。

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