星空日誌「つぶやき」

ビクセンVSD100F3.8と口径食

最近、ビクセンVSD100F3.8望遠鏡について、お問い合わせをいただきます。タカハシFSQ-106EDが4月から値上げされたので、その代わりとして注目されているのでしょうか。

いただいたお問い合わせの中で、星像に楔が入ったような割れが発生するかどうかというご質問がありました。回折光芒により、明るい星が下のような形に写ってしまう現象で、一般的に「星割れ現象」と呼ばれます。これは、口径食によって主に発生する現象です。

口径食による星像

口径食は、カメラレンズの場合はレンズを絞れば減少しますが、絞り機構のない天体望遠鏡の場合は、発生を防ぐ方法はほとんどありません。ですので、気にされる方は結構いらっしゃるように思います。

お尋ねのビクセンVSD100F3.8について、残念ながら、星割れ現象は発生します。下画像は、ニコンD810Aを取り付けてカリフォルニア星雲を撮影した写真ですが、端の星を拡大すると、星が楔が入ったように割れているのがわかります。それほど大きな割れではないので、個人的には気にならない程度ですが、ご参考になれば幸いです。

VSD100と口径食

ちなみに、VSD100ほどは目立ちませんが、タカハシFSQ-106EDでも星割れ現象は発生します。星割れ現象を完全になくすには、後群レンズの直径を大きくするしかないと思います。

その他、VSD100の使い心地については、撮影機材ページの「ビクセン VSD100F3.8 レビュー」のページをご覧ください。

バット星雲とNGC3766

南半球の星空ギャラリーページに、オーストラリアで撮影した「IC2944とNGC3766」の写真を追加しました。

バット星雲

IC2944は、日本では「バット星雲」の愛称で有名ですが、海外では「走るにわとり星雲(Running Chicken Nebula)」と呼ばれているようです。

今年のゴールデンウィークは新月期と重なり、しかも10連休です。南半球に遠征される方は、是非バット星雲の撮影にもチャレンジしてみてください。

シルバーニードル銀河

月が小さくなって、撮影好期になりましたが、週末の天気予報が思わしくありません。でも、最近、天気予報はよく変わりますし、明日になったら予報が改善しているかもしれませんね。

天体写真ギャラリーに、NGC4244銀河の写真を追加しました。NGC4244は、海外では「Silver Needle(シルバーニードル)」と呼ばれている系外銀河です。なんだか格好いい愛称の銀河ですね。

NGC4244

NGC4244は、渦巻銀河を横から見たエッジオン銀河ですが、同じエッジオン銀河に分類される、かみのけ座のNGC4565と比べると、バルジの膨らみが小さく、細くて長い銀河です。この細長い格好が、シルバーニードルの愛称に繋がったのでしょう。

NGC4244の見かけの長さはNGC4565とほぼ同じですので、NGC天体に選ばれている系外銀河としては比較的大きく、焦点距離が短めの望遠鏡でも撮影を楽しむことができると思います。ただ、案外と淡いので、滑らかに仕上げようと思えば、長時間の露光が必要になるでしょう。

ちなみにこの写真のL画像は、15分を6枚、重ね合わせています。少し背景が荒いので、今年、数枚追加撮影するつもりでしたが、なかなか撮影できないため、これまでの撮影画像だけで処理して仕上げてみました。

ステラナビゲーター11が発売

本格的に花粉が飛び始めているのでしょう、花粉症の症状が酷くなってきました。春というと明るいイメージですが、今は花粉症の人も増えて、憂鬱な季節だと感じる人も多いでしょうね。

明日、アストロアーツ社から、天文シミュレーションソフト「ステラナビゲーター11」が発売開始されます。ステラナビゲーター10が発売開始されたのが2014年3月でしたので、ちょうど5年ぶりのバージョンアップです。前回は、約3年半のバージョンアップでしたので、今回は少し期間が開いた感じでしょうか。



今回のバージョンアップでは、星図画面を一新し、天の川の描写などがより詳細になっているようです。リアルな星空をパソコン画面でシミュレーションできるのは嬉しいですね。

その他、撮影計画に便利な機能が追加されたとのことです。天体撮影ファンとしては、こちらの方が気になると思います。天体撮影時のナビゲーションや、自動導入ソフトとして、使い勝手が向上していることを期待しています。

ちなみに、私がステラナビゲーターを初めて使用したのは、バージョン6のときです。バージョン6は使い勝手が良かったのですが、7にバージョンアップしたところ、赤道儀をソフトウェア上で自動導入すると、パソコンがフリーズする問題が発生しました。その後、改善されたようですが、それからしばらくの間は、The Sky 6を愛用していました。

現在は、ステラナビゲーター10をメインパソコンで使用し、古いパソコンには「Cartes du Ciel」という、フリーのプラネタリウムソフトをインストールしています。使い勝手で言うと、やはり日本語のステラナビゲーター10の方が使いやすいので、11の発売が楽しみです。

天文機材の価格推移

増税前の駆け込みでしょうか、牛乳やその他の飲料、カップ麺など幅広い食品の値上げが相次いでいますが、望遠鏡や天文機材も、一昔前に比べてかなり価格が上がったなと感じます。



そこで、昔からある現行天文機材について、以前の価格と現在の価格を比べて、どのくらい値上がりしたのか調べてみました。

1.タカハシε-180ED
言わずと知れた、高橋製作所の天体撮影専用の望遠鏡です。星像はシャープですが、光軸調整や取り扱いがシビアで手間がかかる鏡筒です。

発売開始された2005年は、380,000円(税別)でした。2019年現在は、448,000円(税別)です。14年間で約18%の値上がりです。

2.タカハシ FSQ-106ED
イプシロンシリーズと人気を二分する、高性能の屈折望遠鏡です。これ一本あれば、眼視から撮影まで楽しめるので、今も人気の高い鏡筒です。

発売開始された2007年は、438,000円(税別)でした。2019年現在の価格は、523,000円(税別)です。12年間で約20%の値上がりです。

3.ビクセン SD103S
ビクセンの口径10センチの屈折望遠鏡です。発売開始当時は、ビクセンED103Sという名称でしたが、接眼部がマイナーチェンジされて、SD103Sに変わりました。

発売開始された2005年は、195,000円(税別)でした。2019年現在の価格は、200,000円(税別)です。14年間で約2.5%の値上がりです。

4.笠井トレーディング Ninja-400
バックヤードプロダクツ社が製造している大型ドブソニアン。パーツを分解できるので運搬しやすく、光軸再現性も高いので評判が良い望遠鏡です。

2007年当時の価格は、571,000円(税別)でした。2019年現在の価格は、700,000円(税別)です。12年間で約23%の価格上昇です。

5.ニコン7×50SP
星空観望のスタンダードモデルとして、昔から定評のある双眼鏡です。見掛け視界はやや狭いですが、シャープな星像が見ていて気持ちのいい一台です。

2004年当時の価格は、81,000円(税別)でした。2019年現在の価格は、95,000円(税別)です。15年間で約17%の価格上昇です。

6.キヤノン10×42 L IS WP
贅沢な光学系が採用されて、星空観望に最適とも言われている防振双眼鏡です。キヤノンの防振効果は素晴らしく、手持ちで観望を楽しむならこのシリーズがお勧めです。

発売開始された2005年の価格は、180,000円(税別)でした。そして2019年現在の価格も180,000円(税別)です。

7.星空シミュレーションソフト ステラナビゲーター
利用者の多い、アストロアーツ社の星空シミュレーションソフトです。この3月下旬に最新バージョン11が発売開始となります。

2004年のステライメージ7は15,000円(税別)でしたが、2019年発売のステラナビゲーター11の価格も15,000円(税別)です。

以上、一部の天文機材の価格を比較してみましたが、ビクセンの屈折望遠鏡やキヤノンの双眼鏡を除くと、ここ十数年で、おおよそ20%程度値上がりしているようです。物価上昇率を考えると仕方がないところでしょうか。

※一部の機材の過去の価格は、税込価格(内税表示価格)のみの表示でしたので、計算した税抜価格(概算値)を記載しています。

※タカハシFSQ-106EDは、2019年4月より523,000円から545,000円に更に値上がりします。

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